これってどうなの?

色々な事を気ままに書いています

羽海野 チカ 著「3月のライオン」中年と老人がとにかくかっこいい

将棋は得意だけど学校では友達のいない少年が、ある日自分以外の家族すべてを事故で失い、父の友人であるプロ棋士・幸田に引き取られる。


もう自分には将棋しかないと打ち込み、見事史上5人目の中学生プロとなるが、それゆえに幸田の実子達との軋轢が生まれて家に居づらくなり、一人暮らしを始める。


そして川本家三姉妹と交流するうち、棋士として、また人として成長していくこととなる、というあらすじ。


一晩二人っきりにさせても何の心配もいらないと中学生女子・ひなたの姉・あかりにも祖父にも笑顔で太鼓判を押されるド草食男子の零。


そのひなたがイジメ問題に巻き込まれるエピソードで二人の仲が進展してるようで、そう遠くなくお互い失いたくない大切な人になるんだろうなーと思われます。


正直言えば初恋の男の子のことで一喜一憂してるひなたが可愛かったし、それを兄のように見守っている零との間が変化して欲しくはなかったのですが、イジメが解決した時のひなたの反応を見てたら時間をかけて将来の話なら納得できる心持ちになってきました。


それはともかく零の先輩である島田八段の不撓不屈さがあまりにも格好良くて大ファンな私と友人は、「胃痛持ちで痩せぎすの島田八段はあかりさんとくっついてふくふくにしてもらうがいい」と常々その幸福を祈ってるのですが、当のあかりさんは零の元担任とのフラグが立ってしまった…


他にも勝負の世界に生きる魅力的な人物がたくさん登場します。


それぞれの生き様に色々考えさせられますので、少女漫画出身の作者と読まず嫌いせずに幅広く読んで欲しい作品です。